院長挨拶(2022年3月掲載分)

久保みずき女性検診クリニックのホームページをご覧の皆様こんにちは、院長の沢岻美奈子です。
当院は、医療法人恵友会・久保理事長の「女性特有のガンで亡くなる方を一人でも減らしたい」との思いから2013年1月に開院した婦人科医院です。
産婦人科医を志した頃からの夢であった「更年期を中心に各ライフステージに寄り添った女性の健康を支えたい」と言う思いで恵友会から医院を引き継いだのが2019年です。多くの方々の支えで今年10年目の年を迎えています。
一人一人のスタッフの力は微力ですが、想いはひとつ、チーム力で女性が元気になる医院作りに日々臨んでいます。

開院3年目の年に、40歳の従姉妹を乳がんで失いました。医師としてもう少し何かできなかったかと悔しい思いを持ち続けています。
10年の間には、厳しくも温かく道を示してくれた母は介護が必要な人になり、 妹には娘が生まれ、中学生だった姪達は、昨年から医療者としの道を歩みはじめています。
私もパートナーも50代になり、更年期の色々な症状を楽しみながらも、日々を格闘しています。

女性の体調の変化はホルモンの波によく例えられますが、私の生まれ育った沖縄にはいつも海があります。
砂浜に規則正しく打ち寄せる波は、気持ちが落ち着きますし、波しぶきを上げて荒々しくテトラポットに打ちつける、石をも穿つ波には力を感じます。
大きな波に乗った時の爽快感は格別ですが、波を捉えるには経験を重ねることや、ちょっと頑張って沖までパドリングをする体力も必要です。
波に乗らずともただただ、波間に揺蕩うだけでも自然に抱かれる安心感で満たされます。
様々な波が、何年もかけてその土地独特の地形を作る様に、一人の女性を成長させ、人としての味わいになるのだと思います。

私自身、30代の頃のホルモンパワーは無くなり、40代の様に無理はできないものの、経験値から来る静かな力を感じ、年を重ねることを楽しんでいます。

部活動や進学、社会に出てキャリアを追う中で、ホルモン的不調で力を発揮できない若い女性、育児や介護に多忙で自身の体のことは後回しになっている同年代の女性達を診ながら日々思うのは、溢れる情報や物に迷わずに、変わりゆく自身のカラダと心地よく過ごす正しい方法を選択して欲しい、という事です。

当院の受診を機に、お一人お一人が自身の心身と向き合い、母として、娘として、家族の健康の核となり元気の輪がひろがっていく医院であれるように、これからも頑張ります。

病気が見つかった時の不安や恐怖、治療の苦痛や闘病中の辛さも、避けられない現実として誰の身にも起きることです。辛い経験こそが、その後のその方の人生をより豊かで深いものにできると思います。時が経ち語れるようになったら、無二の経験を是非近い人に語って下さい。そうする事で少しずつ一人一人のヘルスリテラシーが上がり元気な女性が増えていくはずです。
闘病後のサバイバーとして 、心身の変化に悩み苦しむ時でも、女性の長い人生の一生のかかりつけ医として一緒に成長していけることを喜びに思います。

2022年3月 院長 沢岻美奈子

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